疎密(そみつ);描き込まない所(=疎)、描き込む所(=密)の差を作り、画面をリズミカルに観せる方法。
画面上のすべてを描いてしまうと鑑賞者はどこを観ていいのかわからなくなってしまう。
そこで鑑賞者の目を混乱させないために、主役(描き込む所)、脇役(描き込まない所)をもうけ画面を安定させる必要がある。
ドラマでも主役を魅力的に観せるには、主役だけの力ではなく名傍役によるすばらしい演技に支えられている所が大きい。
絵も、ある部分が魅力的に観えたとすれば、それはそれを支えている名脇役が存在するということだ。
疎も密もどちらも絵を構成する上で非常に大切な要素であることは間違いない。
2005年09月20日
2005年08月10日
専門用語Q&A 第7回 際(キワ)
際(キワ);物のシルエットや、物と物の境目。
物同士の際がどのようにぶつかり合い変化しているのかを観察することで、空間表現や質感表現、絵のリズム感などにつながる。非常に情報量の多い部分。
一昔前の受験では”キワ決め”といって、際を強調して描いたり、際だけでモチーフを説明したりするのが流行った。短時間で絵を仕上げていくには効果的だがやり過ぎると絵が薄っぺらく見える危険性があるので注意が必要。
物同士の際がどのようにぶつかり合い変化しているのかを観察することで、空間表現や質感表現、絵のリズム感などにつながる。非常に情報量の多い部分。
一昔前の受験では”キワ決め”といって、際を強調して描いたり、際だけでモチーフを説明したりするのが流行った。短時間で絵を仕上げていくには効果的だがやり過ぎると絵が薄っぺらく見える危険性があるので注意が必要。
2005年05月23日
専門用語Q&A 第6回 〜デッサン〜
デッサン;素描や下絵などのことを指す。デッサンはフランス語。アメリカではドローイング。この二つは同じ意味。
しかし、日本ではデッサンとドローイングとでは若干違う意味合いでとらえられているように思われる。デッサンはどちらかというと堅い、しっかりと描かれた感じで、ドローイングはラフなイメージで使われているようだ。
そんなこともあり、厳密に何がデッサンかという具体的なくくりは難しい。鉛筆や木炭などで描かれたものが一般的にデッサンといえるようである。
少し前まではデッサンやドローイングは”作品”という感じではなく、どちらかといえば裏方的な扱いだったようだが、最近では油彩や水彩などと同じように、1つの独立した”作品”として捉えられている。
しかし、日本ではデッサンとドローイングとでは若干違う意味合いでとらえられているように思われる。デッサンはどちらかというと堅い、しっかりと描かれた感じで、ドローイングはラフなイメージで使われているようだ。
そんなこともあり、厳密に何がデッサンかという具体的なくくりは難しい。鉛筆や木炭などで描かれたものが一般的にデッサンといえるようである。
少し前まではデッサンやドローイングは”作品”という感じではなく、どちらかといえば裏方的な扱いだったようだが、最近では油彩や水彩などと同じように、1つの独立した”作品”として捉えられている。
2005年05月12日
専門用語Q&A 第5回 〜補色〜
補色;補色とはお互いがお互いを引き立て合う色のこと。例えば、くすんで見える色も補色を隣に置くことで鮮やかな色に見える。しかし、補色同士は混ぜると、シブい、濁った感じの色味になる。
片方の色が三原色の場合、残りの色を足した色が補色となる。赤なら青と黄で緑、青なら赤と黄でオレンヂ、黄なら赤と青で紫。
その他の色では12色相環で対角線上にある色が補色関係とになる。
この補色関係を上手く利用すれば赤いものを”赤”で描く必要は必ずしもなくなる。
片方の色が三原色の場合、残りの色を足した色が補色となる。赤なら青と黄で緑、青なら赤と黄でオレンヂ、黄なら赤と青で紫。
その他の色では12色相環で対角線上にある色が補色関係とになる。
この補色関係を上手く利用すれば赤いものを”赤”で描く必要は必ずしもなくなる。
専門用語Q&A 第4回 〜三原色〜
三原色;三原色とは赤、青、黄の三色をいう。全ての色は基本的にこの三色によって再現可能といえる(緑=青+黄 オレンヂ=赤+黄 紫=赤+青など)。逆に言えばこの三色は他の色では作れない。
光の場合にはこの三原色を一緒にする(混ぜる)と、透明になり、絵具の場合は黒に近づく。
印象派の描法や後期印象派の点描の技法はこの三原色の原理に基づいておこなわれている。それまで影は茶か黒として扱われてきたが影にも色味があることを発見したのだ。
光の場合にはこの三原色を一緒にする(混ぜる)と、透明になり、絵具の場合は黒に近づく。
印象派の描法や後期印象派の点描の技法はこの三原色の原理に基づいておこなわれている。それまで影は茶か黒として扱われてきたが影にも色味があることを発見したのだ。
2005年04月27日
専門用語Q&A 第3回 〜調子〜
調子;美術用語には音楽の用語が使われることが多々ある。調子もその一つ。音楽にはあまり詳しくないが、ト短調とか転調するとかの”調子”のこと。美術用語では何を意味するかというと、描き方の幅を意味したり、明暗の幅を意味したりする。
一本調子とは描き方や画材の使い方がワンパターンで幅がないことを意味する。
ところで、画材や用語で解らないことがあればどしどしコメントを寄せて下さい。できうるかぎり解り易く説明します。
一本調子とは描き方や画材の使い方がワンパターンで幅がないことを意味する。
ところで、画材や用語で解らないことがあればどしどしコメントを寄せて下さい。できうるかぎり解り易く説明します。
2005年04月25日
専門用語Q&A 第2回 〜バルール〜
バルール:色価ともいう。バルールが合っているとは、モチーフの色の関係が捉えられているということ。もう少し詳しくいうと、ある色に対してもう一方の色はどのような関係にあるか(明るいのか暗いのか、強いのか弱いのか、手前なのか奥なのかなどなど...)ということが捉えられているということです。
2005年04月22日
専門用語Q&A 第1回 〜マチエール〜
マチエール;絵肌などともいう。主に油絵を語るときに使われる用語。絵具の物質的な効果のこと。
音楽でいうとエレキギターのエフェクターによる効果がそれに近い。エフェクターとは音程を変えずに音の”感じ”を変える(*”ド”なら”ド”の音のまま”ガサガサ”したり”サラサラ”した感じの音にする)装置で、その”感じ”=”マチエール”ということができるだろうか。
油絵具は盛上げたり、画用液で薄く溶いて使ったりすることができ、同じ色でも使い方を変えることで全く違った感じにすることができる。そのことをマチエールを変化させるなどという。
ようするに絵具の物質感のことをマチエールという。
音楽でいうとエレキギターのエフェクターによる効果がそれに近い。エフェクターとは音程を変えずに音の”感じ”を変える(*”ド”なら”ド”の音のまま”ガサガサ”したり”サラサラ”した感じの音にする)装置で、その”感じ”=”マチエール”ということができるだろうか。
油絵具は盛上げたり、画用液で薄く溶いて使ったりすることができ、同じ色でも使い方を変えることで全く違った感じにすることができる。そのことをマチエールを変化させるなどという。
ようするに絵具の物質感のことをマチエールという。



