よこはま〜♪たそがれ〜♪
ふ♪り♪む〜けばよこはま〜♪
みなとのよ〜こ♪よ〜こはま♪よこすか〜♪
歌謡曲などで数多く歌われる地、横浜。
まぁ今の若い人たちは上にあげた曲のどれ一つ知らないと思うけど。ここはあえてそのジェネレーションギャップを楽しみたいと思います。
そんな横浜でおこなわれる3年に1度の美術の祭典、横浜トリエンナーレ2008に行ってきました。
寒かったし、集合時間に遅刻する奴もいるし…。
この出だしがすべてを暗示していたのでしょうか…。
素直な印象として、
●規模、縮小してるよな…。
●なんで今更アブジェクト系の大御所アーティストなの?
●映像作品が多いけど、他の作品も見て回りたいから、あまりじっくり観賞できない。
というところでしょうか。
平日に行ったということもあって活気がまるでない。
基本的に各ブースごとにアーティストが作品を展示して1つの会場を形作るというもので、全部で7つの会場で構成されています。
しかし、なかには割り当てられたスペースをもてあまして見えるものもあって『ホントにこれでいいのか?』と思わず突っ込みたくなるようなものも…。
そのせいか、全体的にスカスカな印象を受けました。
90年代に活躍したアブジェクト(おぞましい)系のアーティストが多数参加しているのも気になりました。ポール・マッカーシーやマシュー・バーニー、ヘルマン・ニッチュにマイク・ケリーなど。
ポール・マッカーシーは未だにブレていないその芸風に感動。昔話に出て来る妖精が排泄物を投げ合うというような映像がマルチスクリーンでブース全体に映し出されていた。21世紀もこのまま突っ走るのか。すごい!!
マイク・ケリーはアブジェクト系の芸風からは卒業して、3面のマルチスクリーンに歴史上の人物(と思われる)にヒップホップのビートに載せて台詞を言わせる、という映像作品+舞台装置を使った演劇的インスタレーションで、とても楽しめました。
ヒップホップなどの大衆文化を窓口に使いながら、かつ、作品に対して考えさせるところは、他の、クールであまり観客の気を惹こうという気持ちがサラサラない作品よりは、数段良かったと思います。
マシュー・バーニー、ヘルマン・ニッチュに関しては、どうぞ変わらずそのまま行っちゃって下さいという感じでした。
でも、こういうアーティストたちはインパクトありすぎるから、全体的に今回のヨコトリのイメージが少なくとも僕の中では、アブジェクト系アートに染まってしまいました。
あと、映像作品を見て思うのは、時間の流れがあるために、最初から見ないとよくわからないし、でも、観客の都合で始めからすぐに上映できる訳でもなく、作品を見るタイミングが取りづらくて『じゃあ、またあとでいいや…』ってなって、結局最後まで見られず、ちゃんと観賞できないということ。
それがまた、今回のトリエンナーレが映像作品が多いのなんのって…。
だから、絵画や彫刻って、時代遅れの古いメディアかもしれないけど、観客のそれぞれが好きなタイミングで観賞できるし、考えられるから、やっぱりいいなって思いました。
芸大でお世話になったこともある中西夏之先生。60年代、パフォーマンスやハプニングで一世を風靡した人ですら行き着くところは絵画。先生曰く『パフォーマンスはたかだか30年、絵画は600年以上。歴史の厚みが違う』とおっしゃっていたことを思い出します。
今回の横浜トリエンナーレ、個人的な評価としては星☆☆☆☆☆といったところでしょうか…