本日の油画科は人物木炭デッサン。
前回の人物クロッキーに続いて、今回も人物課題です。
しっかりと観察して人物としての比率やプロポーション、モデルさんの表情に注意を払いながら描き込んでいって欲しいものです。
制作時間は6時間です。
今年の夏期講習は比較的2日間での制作課題が多いですが、1日課題の時は時間配分なども考えながら描いていかないと後々とんでもないことになったりするので、しっかりタイムスケジュールを建てながら描き進めましょう(勿論2日課題でもタイムスケジュールは大切ですけどね…)。
人物はポーズごとに多少姿勢が崩れます。いくら毎回同じポーズになるようにしても、そこは人間ですからね、微妙に変化します(顔の角度とか、服の皺とか…)。
石膏像のようにピタリとは止まってくれないわけで。
基本的には画面の中で、モデルさんのポーズや仕草を再構成して、人物として破綻のないように描いていくっていうのがポイントではないでしょうかね。色んな記憶を頼りに1枚の揺るぎないイメージを作っていくような感じでしょうか?
写真が発明されたとき、人々はその静止した画像に驚嘆したようです。大理石のように動かない人物の画像。
それまでの生活環境から得ることのできる知識やイメージとは大分かけ離れたものとして捉えられたみたいです。
以前は、人は「動く」ものであり、事物はそういったイメージや記憶の集合体として存在していたのでしょうね。だから、写真の画像は驚異でした。いまでは日常に溢れているので、ありきたりなイメージとして捉えられたりもしますが。
今の時代で言えばスーパースローの映像を見て、「あ、こんな風に映るんだ」とか、3Dの映像を見て「うわ!飛び出ている」とか、そういった映像の一つ一つに驚嘆するのと近いかもしれません。
そういう意味で絵は写真とは違い、作り手のイメージや記憶、思考などと連動した表現媒体でありますね。
自分なりの人物像を求めて、アーでもないコーでもないと、試行錯誤しながら描き進めて見て下さい。
ガンバ!
ichi