今日は打って変わって晴天。そして4月。
エイプリルフールになにかぶち噛まそうかとも思ったんですけど…特に何も浮かびません。
年度も切り替わって春のうららかな、いい陽気です。今日も一日頑張っていきましょう。
春期講習会はラストの課題。その名も「ジオラマ絵画」です。
課題の名称だけだとなんだか分かりづらいんですけど、自分で模型を作って、それをモチーフにイメージを拡げて絵にするという課題です。
絵っていうのは当たり前ですけど、キャンバスなり紙なりに絵具などを塗り付けて表現しますよね。
小難しくいえば、「イメージを実際の物に置き換える」ってことです。
で、イメージがイメージのままなら何の問題もないんですけど、「実際の物」に置き換えると色々な問題が起きてきます。
例えばイメージを言葉で表現するとします。
頭のなかに浮かんだ「美しいイメージ」を言葉に出して「きれい」と言っても「あ〜この人は今、何かをきれいだと感じてるんだなぁ」ということはわかっても「美しいイメージ」自体は伝わらないわけです。
では絵に描けばもっと直接的に伝わるのかというと以外とそうでもありません。
絵で表現する場合は「美しいイメージ」を、それこそ「目に見える」まで具体的にしていかなければいけないからです。
頭の中にどんなに素晴らしいイメージが浮かんでいても、それが固まっていないと、絵具をキャンバスに塗った途端にするすると蜃気楼のように、表現したかった「何か」は逃げていきます。
頭の中では想像できているのに、実際に絵にしていくとなんだか別のものになってゆく…。
この「ジオラマ絵画」は、まずは自分の頭のなかにあるイメージを「ジオラマ」にして一度具体的な形にします。
具体的にすることでそこから絵を描く時の細部やエピソードを拡げ、様々な演出を加えて描いていくことが可能になります。
イメージから直接描いていくと「あらすじ」や「絵コンテ」のような「説明的」なものになりがちです。
そうではなくて、イメージを一旦具体的な形に置き換えていくことで、「説明」ではない「表現」としてイメージを描いていくことができます。
入試ということを考えても、想定課題はけっこうどこの大学でも必須なので「ジオラマ絵画」をとおして頭の中にあるイメージを「表現」するトレーニングをしていきましょう。
ichi
美大受験はアーティストへの第一歩。油画科