新たな展開の予感…。
「20日も過ぎて、もうとっくに色々始まっちゃってるよ!」というツッコミをモニターの向こう側から感じます。
1月から更新が滞っておりました…。スミマセン。
昨年度は東京藝大に合格者を出し、なんとか有終の美を迎えることができたアトリエ新松戸油画科でありました。
2年連続、東京藝大油画専攻合格というのはなかなかに良い結果ではないかと思っています。
そんな喜びを感じるのも束の間、東北での大震災、原発と、日本の社会情勢は混迷を極めており、色々と気の引き締まる想いでおります。
震災以降、原発汚染が続くこの社会で果たして芸術は可能なのか?芸術の担うべきものとは何か?などと、分不相応なことに思考を巡らせたりしています。
それは個人個人で答えは違うでしょうし、時間経過とともにその答えも変化していくことでしょう。
ただ、その時々で自分が正しいと思う何か、自分を突き動かせる何かを見つけることが出来たなら、それに向かって突き進むことだと思います。
僕自身はこの震災以降の地平で、未だ確固たるものは見つかっていません。でも、見つける努力はしています。これからもしていくつもりです。
高度経済成長を支えた原発。その流れは新たな分岐点に来ていることは確かです。これからの未来をどうしてゆくのか、様々な議論がなされていくと思います。そのときに自分の考えを持ち、そのことに責任を持つことが必要になります。
「自分の考えをもち、それに責任を持つ」ということはこれから表現者を目指す皆さんにとっては基本中の基本。イロハのイです。
しかし、自分の考えをもつためには、様々ものを吸収し、その中で取捨選択をしていかなければなりません。そうではなければ井の中の蛙です。
自分の周りを小さくすることで、自分を大きく見せるのではなく、色々なモノを見て、学び、自分自身を大きく成長させて欲しい。それは言葉でいうほど簡単ではなく、僕自身も常にそうでありたいと思っています。
皆さんはこれからの一年間を美大合格という目的のために使っていくわけですが、そこで気付いたり、学んだりしたことは、きっとそれ以上の意味をもつと思います。
まだまだ予断を許さない状態が続きます。だからこそ、目の前にある些細なことにも意味を見いだして、一歩一歩頑張っていきましょう。
長くなりましたが、以上をもちまして新年度の挨拶とさせていただきます。
アトリエ新松戸油画科主任 市川
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